30日。
前から気になってた作家さん、宮下奈都さん初読み。
すごく静かな感じの文章、読みやすく私にしては珍しく、
2時間ほどで読み終わった。
あまり考えずに図書館で予約。
丁度、本屋大賞にノミネートされたところで順番に。
ラッキ~

この作品は、連作短編集。
帯には、
「偶然、同じ時間に人気レストランの客となった人々の
来店にいたるまでのエピソードと前向きの決心。」
とある。その通りだった。
この人気レストラン「ハライ」。
チラッとしか話には出てこないんだけど、
美味しいんだろうなぁ。いつも混んでるみたいだし、
こんなにいろんな人たちの口に昇るんだから。
「ハライ」に予約する6組。
その6組のそれぞれのエピソード。
実家を離れ、大学を出て内定が決まった会社が倒産。
バイト先のコンビニに就職した男の話や、
ご主人を亡くしたことから、
軽い痴ほう症になってしまったおばあちゃんの話、
ずっと話していなかった幼なじみとの話、
ビデオカメラを回していないと人と会話することのできない、
引きこもりのお兄ちゃんの話、
ホテルのレストランに働いている男の子と
そこへやってくる常連のお客さんの話、
失敗する人の匂いが分かってしまう女の子の話。
最後の話はちょっと不思議な能力が係ってくるけど、
それ以外は、どこにでもありそうな普通のエピソード。
でも前向きになっていく、そんなお話ばかり。
一番好きだったのは、おばあちゃんの話。
おばあちゃんの悲しさ、でも前に向かっていこうという思いが
すごくわかったお話だった。
タイトルの「誰かが足りない」は、
そのエピソードによってちょっとずつ意味合いが違う。
この場にいるはずの誰かが足りないとか、
何かを失ったとか。
そのままでもいいんだと思わせてくれる、
そんな素敵な作品だった。
この本のタイトルと表紙をみて、
ちょっと怖い話なのでは?と思っていた私。
全然違うじゃん
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